知る Learn

流派の特色

理論派の華道

寸法の入った図面を用いて初心者にも分かりやすく説明するため、「理論派」と呼ばれています。

古来、華道家たちは、師から弟子へと何代にも渡って研究を続け、花を美しく見せる法則を見つけ出しました。いけばな教室では、この先人の知恵を学びます。

                        

未生流笹岡では、この美の法則をより手軽に身につけられるように、花枝の寸法を定めた図面「寸法表」を作成しています。例えば、「30cmの長さに切り、右手前45度の方向に、器の下面からの高さが21cmになるように傾斜をつけて挿す」といった具合です。この寸法表を使えば、誰もが美しくととのった花姿にいけられますし、教授者によって教え方が違うという矛盾もありません。

                        

この寸法表を用いた理論的な教授方法は、未生流笹岡の大きな特色です。

流花「かきつばた」

当流は「かきつばたの笹岡」として全国にその名を知られています。日月和合の色とされる紫を花色に持つかきつばたは、古来より最高位の花として大切にされてきました。また、葉蘭・水仙とともに、扱いの難しい葉物の三難物の一つに数えられています。

未生流笹岡では、このかきつばたを流花と定め、その扱いに絶対の自信を持っています。かきつばたにも、寸法と葉組(葉の組み方)を定めた寸法表がありますので、きちんとお稽古をすればととのった花姿にいけることができます。

レス・イズ・モア

未生流笹岡では、「素材のよさを引き立たせるためには、シンプルにいけあげた方がよい」と考えています。ですから、使う花の量も種類もできるだけ少なくしています。

たまに、ありったけの花をつぼの中に放り込んだといった印象の作品を、目にすることがあります。しかし、それでは、たくさんの枝葉が重なり合っていて、一輪の花や一枚の葉の美しさは見えません。私たちは、重なりあった枝葉を極限までそぎ落とし、そこに隠された花や葉の輪郭を、際立たせます。そうやっていけあげた未生流笹岡の作品は、一輪の花、一枚の葉がリズミカルに、豊かな空間を演出しています。

この手法は、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエのデザイン論“Less is more”に例えられます。つまり、「厳選されたより少ない素材で、より豊かな空間をつくる」というこの考え方は、未生流笹岡のデザイン論そのものです。

いけばなパフォーマンス 

未生流笹岡では、伝統文化いけばなの新たな可能性として、舞台芸術としてのいけばなを追求し、1992年「いけばなパフォーマンス」を考案しました。

いけばなパフォーマンスは、作品がいけあがっていく過程を舞台芸術として楽しんでもらおうと考案した未生流笹岡独自のデモンストレーションの方法です。舞台で一から花をいけていくと時間がかかり観客が飽きてしまいますし、即興で花をいけあげると完成度が低くなります。そこで、前もって作品を一度完成させておき、舞台上では10分程度の短い時間でいけられるよう、入念にリハーサルを重ねています。

音響や照明にも工夫を凝らし、舞台を演出するこのいけばなパフォーマンス。1992年京都会館を皮切りに、1997年メキシコ外務省迎賓館、1999年ユネスコ本部(パリ)、2000年京都コンサートホール、2001年・2005年青連院門跡、2002年・2006年グァテマラ国家宮殿、2006年東寺など、国内外各地で多くの方にご覧頂いています。また、クラシック、邦楽、能、狂言、歌舞伎など異分野とのコラボレーションにも積極的に挑戦し、新たな芸術ジャンルの確立をめざしています。